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2016/2/22更新

パレスチナ人の非暴力抵抗に対するイスラエル政府の弾圧
この蜂起は「ナイフ・インティファーダ」どころではないぞ

1月27日(電子インティファーダ)
ブドゥール・ユーセフ・ハッサン(エルサレム在住パレスチナ人作家)

昨年10月に「ナイフ・インティファーダ」が始まったとき、西側記者たちはエルサレムに殺到し、「これは第3次インティファーダになりますか?」と質問した。イスラエルの激しい弾圧でイスラエル人襲撃は激減したが、大弾圧に関する報道は皆無だ。イスラエルがパレスチナ人に行う殺害、暴力、逮捕、家屋破壊は通常業務で、「事件」ではなく、パレスチナ人への集団懲罰と民族浄化は日常的で、報道に値しないのだ。

遺体を返さないイスラエルのやり口

イスラエルの酷い戦術の一つは、死体を遺族に返さないことだ。イスラエル治安閣議が決定した騒乱鎮圧対策の中の一つに、攻撃実行者の死体を返さないという政策が復活した。数週間にわたる大衆的抗議で、昨年12月末から80体以上の死体の死体返却は始まったが、10体が死体安置所を出ていない。遺族たちは今も我が子の遺体の返却を求めて闘っている。

故郷に建設された入植地のバス停留所で入植者をナイフで刺したバハア・アラヤンの遺体も、モルグに放置されたままだ。父で弁護士のムハンマド(60)は抗議運動を展開している。「イスラエルは、喪に服する権利を奪い、親子の絆やパレスチナ人の結合を分断しようとしている」とムハンマドは語った。「しかるに西側の新聞は一行も書かないのだ」。彼は、なぜ西側メディアが無関心なのか、理由を理解しようと懸命である。アラヤン一家の家が破壊され、その瓦礫の上に建てたあばら屋に住んでいることは、全く報道されない。攻撃への報復として、家族の家は全部破壊されている。これもイスラエル治安閣議で決定された政策の一つで、イスラエル最高裁も合法と認めた。

同じく殉教者で遺体がイスラエルに盗まれたままのイブラヒム・アカリの遺族の家が破壊された後、エルサレムのシュアファート難民キャンプの住民たちが立ち上げた連帯活動は、西岸地区全体で連続的に開催された。

また12月26日には、遺体返還を求めてパレスチナ人たちは人間の鎖でエルサレム旧市街を囲み、「殉教者の遺体を返せ!」と合唱した。この非暴力抵抗は、2014年3月にバハア・アラヤンが考えだしたものであった。しかし、イスラエル軍はこの平和的抗議行動を暴力で蹴散らしたのである。

市民的不服従を象徴するテント闘争

10月事件以降、エルサレムでは弾圧が厳しくなり、大衆抵抗運動が困難になった。イスラエルは活動家を狙いうちにして、投獄・自宅監禁・逮捕脅迫・追放命令などを行った。それにもめげず、ヒジャージ・アブ・スビイェヘとサミール・アイシャは、国際赤十字委員会建物の敷地内に抗議テントを張った。2人をエルサレムから追放するという脅迫に抗議して建てたテントで、支援者がどんどん増え、市民的不服従を象徴する場となった。

このテントは、革命的エネルギーに満ちた場として2週間持ちこたえた。講演、音楽会、討論会などの花が咲いた。参加者は、若者支援を超えて、本当の解放感を味わった。歌い、イスラエルの抑圧に反対する大声をあげ、「ここを離れないぞ」と一斉合唱し、討論に熱中した。パレスチナ人はよく「堕落し腐敗した指導部に代わるものとして何を望むか?」と問われる。このテントは、答えの一つといえるだろう。

1月6日、スビイェヘとアイシャは、イスラエル特別警察に逮捕された。2人は、軍命令違反とフェイスブックで動乱を扇動した罪で有罪となった。この抗議テントとイスラエル警察による弾圧に対しても、国際ジャーナリストたちは注意を向けなかった。この非暴力抵抗形態とそれに対するイスラエルの弾圧こそが、エルサレム事件の核心であるにもかかわらず…。

パレスチナ人の組織的大衆運動は未発達である。しかし、現在の若者たちの立ち上がりは、個々人が行ったナイフ攻撃よりももっと大きい可能性を秘めている。だからイスラエルは、弾丸やチェックポイントを超える弾圧で対峙するのである。

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