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2016/2/22更新

大イベントで政権批判封殺
オリンピックと核武装

浪花の歌う巨人 趙 博

ドイツの日刊商業経済紙である『ハンデルスブラット(Handelsblatt)』は、2013年9月9日付けの記事で「福島問題にもかかわらず2020年夏のオリンピックを東京で開催させるのはどれだけのリスクを伴うのだろうか?ベルリンでは最初の疑念が持ち上がっているSPD(社会民主党)と緑の党は真の危険性についてはっきりさせるべきだと主張する」と報じて、クラウディア・ロート氏(『緑の党』代表)の「日本政府はオリンピックのプレゼンにおいて、本当の危険についてごまかし、状況は完全にコントロールされていると言い張った。こうした隠蔽戦略はこれ以上容認されてはならない」との発言を紹介した。

記事は続けて、安倍晋三の詐欺的発言への批判と汚染水問題の深刻さの暴露、IOCによる「イスタンブール・マドリッド・東京の三つ巴戦」の処理の仕方とその問題点を分析し、最後に「18400`離れた東京では、現地時間で日曜日早朝5時20分に届いたこのいい知らせが、危機に慣らされた市民たちにとって勇気づけのような効果を発揮した。渋谷の歓楽街では数千人が「ニッポン!ニッポン!」とリズミカルに唱え、大衆紙『朝日新聞』はこの喜ばしい機会を特別号で祝った」と皮肉たっぷりに締めくくっている。(記事の日本語訳はここで読める)

あらためて「原発=原爆」

かつての枢軸国のリーダー格、つまり「反共ファシスト国家」であった日・独・伊のうち、原発推進を未だに掲げているのは日本だけであることは二言を要さない。ドイツとイタリアが「脱原発」に舵を切ったということは、両国が「核武装」を放棄したという証である。ちなみに、核兵器製造のための必須技術は「ウラン濃縮」「原子炉」「再処理」であり、国連の常任理事国である米・露・英・仏・中は全てこの技術を有する「核保有国」である。インドとパキスタンも核兵器を保有しているが、インドはウラン濃縮技術を、パキスタンは原子炉と再処理の技術を有していない。実は、核兵器を保有していない国で「三つの技術」を有している唯一の国が日本なのだ(ただし、再処理技術だけは未だ完全には確立しておらず、英・仏に使用済み燃料を送って再処理を依頼している)。その日本が、2011年3月11日「福島第一原発事故」のあと今日に至るまで、未だに「原子力緊急事態宣言」下にあることをこの国に住むどれだけの人々が、日々意識的に自覚しているだろうか?フクシマ事故の原因も、進捗状況も、また、その解決に至る道筋も明らかにしないまま、再稼働のみならず大間や上関などの「原発新設」とトルコなどへの「原発輸出」を目論む電力会社と日本政府の姿勢を、もはや「狂気」以外に形容する言葉を筆者は持ち合わせ得ない。なぜそれほどまでに「狂う」のか、答は簡単だ。これらはみな「核武装」への衝動に支えられているからである。

清原のシャブがどないしてん?!

清原和博が覚醒剤取締法違反で逮捕されたとかで、連日連夜マスコミが「これでもかこれでもか」と報道合戦を繰り広げた。「オウム真理教」や「酒鬼薔薇」事件時のマスコミ動向を想い出すまでもなく「愚民・愚鈍メディア」など批判する対象にしたくもないのだが、今回の過剰報道の陰に「甘利明汚職事件」隠しとTPP協定交渉の策動が蠢いていたことは、モーニングショウの「アホ・コメンテーターども」でなくとも、素人目にも一目瞭然だった。

60年安保の時には「皇太子成婚(ミッチーブーム)」であり、65年日韓条約の前年には「東京オリンピック」「新幹線開通」で沸いた。そして、68年、69年の騒然たる闘争を経て70年安保闘争には「大阪万博」を、75年ロッキード事件の際には「天皇在位50周年記念」「沖縄海洋博」を対峙し、大演出がなされた。大きな政治的節目、つまり、民衆の闘いがうねり支配階級がそれをねじ伏せようとするとき、この国では博覧会や「大イベント」が組織されるというのが常套手段である。そこで、次の年表(※)を照合してみよう。

1945年「敗戦」に符合する○○○○年「□□□□□」を想像するに、悪寒が走り身の毛がよだつ。第2の原発事故でこの国が消滅するのだろうか?第3次世界大戦(=核戦争)で人類が滅びるのだろうか?

いずれにせよ、『2020年東京オリンピック』に塗り込められた一大プロパガンダ・コンテンツは「憲法改正(=9条削除、天皇元首化など)・核武装・アジア侵略」に違いない。

日本国民諸君!諸君はマスコミ並に「愚鈍・愚民」でいいのか?非国民の私は、問い続ける。

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